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「運転資金」って? その2

最終更新日時 : 2015年09月18日

運転資金には多様な種類があるとお話ししましたが、もう一度「運転資金」を大きく分けた5パターンをご紹介します。

①経常運転資金
②増加運転資金
③決算賞与資金
④季節資金
⑤赤字補填資金

前回は①の経常運転資金についてお話ししました。

「売上が上がってくると運転資金がもっと必要になってくる」とよく言われますが、感覚では分かっていても、数字で金融機関に説明できますか?前回お話しした 「経常運転資金」とは売上代金回収までと在庫から買掛支払の資金負担の差額のことですが、「増加運転資金」の理屈は「経常運転資金」と同じです。

増加運転資金とは

増加運転資金は、この基準となる月商が多くなることから、必要な運転資金の金額が多くなる資金需要のことを指します。

例を挙げてみますと
現在、下記の条件で経営していたとします。

平均月商10百万円 売上回収サイト 2.5ヵ月 必要在庫 月商3ヵ月
買掛支払サイト 2ヵ月

A)所要運転資金は (10百万円×2.5ヵ月+10百万円×3ヵ月)-10百万円×2ヵ月

=10百万円×3.5ヵ月(35百万円)となります。

これから、この会社の売上が伸びてきたことで、平均月商が15百万円になったとします(回収・在庫負担・支払サイトは変化なしとして)

B)この場合の所要運転資金は(15百万円×2.5ヵ月+15百万円×3ヵ月)-15百万円×2ヵ月=15百万円×3.5ヵ月(52.5百万円)となります。

すると、この会社の必要な運転資金はB)-A)=17.5百万円増加することになります。この増加が「増加運転資金」に該当するのです。

そこで金融機関には「月の平均売上が10百万円から15百万円に増加したことで、17.5百万円の増加運転資金が必要になった」と説明できれば合格です。

③決算賞与資金

この言葉を聞きなれない経営者の方もいると思いますが、分かりやすく言いますと「決算時の納税資金、決算臨時ボーナス、株式の配当」、そして「夏、冬の定例ボーナス」に充てる資金のための借入を指します。

決算時には何かと資金が必要になります。一番の負担は納税かと思いますが、この運転資金は消費税以外の納税負担(法人税、事業税など)に充てることができま す。消費税はやはり既に売上で預かっているものと考えられていることから借入で賄うべきではないとされているので除外されていますのでご注意ください。ま た決算で業績が好調に推移したことで社員に臨時に還元したい場合にも使えます。また、定例的な夏・冬のボーナス支給のための資金にも充てることができます。

ただ、この資金は一般的に返済期間を6ヵ月に設定されます。なぜ6ヵ月かと言うと、例えば「夏・冬のボーナス」は半年ごとに支給される のが一般的です。夏の支給時に借入をし、半年間で返済をし、冬の支給時までには夏の分を完済させます。そして冬の支給時に新たに借りるといったリズムを作るのです。

金融機関としても、6ヵ月の短期での貸付になることから比較的貸倒リスクが少なく、資金使途も明確であることから融資をし易い性 格の資金と見られています。プロパーの借入を全くやったことがない企業には、最初のきっかけとしては非常にいい借入形態だと思います。双方に負担があまり ない形でありますが、この借入形態を使いこなせている中小企業は少ないのも実態です。

是非、「決算賞与資金」は頭に入れておいて、実践してみてはいかがでしょうか?

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